何気に橋の上から下を見たら、何やら巨大な魚の影が・・・。 およそ6匹ほど。
良く見ると背中が白く傷つき痛々しい。 バタバタと翻ったら縞々が見えた。 鮭だ!。
産卵のためかここは浅瀬で石が多い。その先は堰があり上るのも大変だろう。 思わず、頑張れ!と感動が胸を打つ。
そんなにしてまで、命を懸けて故郷に帰ってくるなんて・・・、凄すぎる。
調べたら、毎年稚魚を放流しているのだそう。
清流の証なのだという。その数は年々増え10万匹になるそうです。
しかして数年後帰ってくるのは・・・。今、目の当たりにしているのは、数年前に放たれた稚魚なのです。
うーっ、4センチが・・・。
大きいものは1メートルを超えているかも知れません。
横に縞のある、正に銀鱗。鮭が遡上するのは4年後から6年後と言われています。
産卵し、全て産卵後に死亡してしまいます。
放流された鮭がどのぐらい戻ってくるかというと、詳しいデータがあります。 秋田県ではここ10年間の平均が0.5から0.6%程です。
放流は秋田県全体でおよそ300万匹程。 当該河川では放流が10万匹ですから、回帰できたのはその0.6%、600匹となります。
当地区から日本海まではおよそ50キロメートルありますから、壮絶な道のりと言えるでしょう。
日本海で回遊し、5~6年の時期を経て故郷を目指すわけです。
鮭の稚魚の放流は市内の市民、小中学生が参加して行われます。彼らが高校生になり社会人として歩みを始めるころ、鮭たちは故郷に帰ってくるのです。 一人一人が放った数百匹の中の一匹かも知れませんね。
君たちが放った鮭は、こんなにも大きくなったんだよ!
生き物は決して裏切ることはありません。 遡上した鮭は壮絶な最期を迎えます。
あなたの手の元に戻るのです。