撮影に必要な物はカメラとフィルム。今ならメモリーカードと予備のバッテリー。
それに風景なら三脚といくつかの交換レンズでしょうか。今は三脚も軽い素材が一般化しましたので、三脚の重さにヒーヒー言うことも少なくなりました。レンズもズームが主体で、性能は昔と全然違い優秀です。
こう言う事を言うと叱られるかも知れませんが、できれば三脚は持参したくありません。三脚はブレを防ぐのが目的で、もしブレないのなら必要なく邪魔になるでしょう。構図は覗く前に決まっているとtokyoは思っています。しかしながら現実はそうではありません。絞りを絞れば当然シャッタースピードはスローになります。
まあ手持ちの限界は28ミリレンズで30秒分の一程度ですから、最小絞りではピーカンの天気でもなければ苦しくなります。望遠ならもうアウトです。昨今現れた手ブレ補正レンズやボデイ内手ブレ補正装置は、脱三脚のまさに救世主とも言える技術です。
それではtokyoは三脚を使わないのかと言うと、やはり使いません。しかし、一脚は使います。可能な限り持参します。それでも、メインの路地裏撮影には持参しません。一脚でも路地にて使用すると奇異の視線を諸に浴びます。そういう事態は極力避けるようにしなければなりません。
風景写真や街角風景は状況が異なりますので、それほど神経質になる事もありません。ただし、機材の多いのは街角では避けたいと考えています。風景撮影においても手ブレの心配が回避されるなら、シンプルな装備でフットワークを良く撮影に望みたいものです。また叱られるかも知れませんが、三脚はできればパスしたい装備の最大の物と考えています。勿論これは大中判のカメラには当てはまりません。フォーマットが大きいほど三脚が必要なのは言うまでもありません。また渓流などスローシャッターが必要な場合は三脚は必須です。そうでなければなるべく手抜きをして装備を軽くしたほうが賢明です。
デジタルの場合はフィルム、特にポジなどと違い現場で完結することはありませんし必要はありません。むしろ後処理のことを頭に入れて撮影しなければいけません。白とびは再現できませんので、必要がなければ極力飛ばないように撮影をする必要があります。撮影時には手抜きでズボラのように撮っても、後の処理には気の遠くなるほどの時間が必要です。
撮影行は楽ではありませんので、カメラ一台に二本程度のレンズで撮影が済むようにしたいものです。
風景は逃げませんから、まあ状況によっては広角よりのズーム一本で済ましたいのがtokyoの本音です。
高画質なカメラほどレンズの描写を良く再現しますから、高性能なレンズを揃えたいですね。高性能でかつ手ブレに対応していれば尚可と言うところです。暗いレンズ、いわゆる安価なレンズは決して描写に劣る訳ではありませんが、ファインダーは少しでも明るい方が良いので妥協が必要です。
装備の手抜きは何とでもなりますが、撮影での手抜きで抜いてはいけない事があります。それはピントです。正直いってtokyoはかなり好い加減にしています。これははっきり言って手ブレと同じくらい始末の悪い事なのですが、ついつい面倒でおろそかにしてしまいます。完全にオートフォーカスまかせなんですね。
実はこれが問題。ピントなど確認せずにどんどん歩いて行きますから、帰ってきてピントが外れてがっかりと言う事が日常茶飯事なのです。まあこれはtokyoだけかと思いますが、皆さんはお気を付けくださいね。
実は中判カメラを使用する時は全て手動でピントを合わせます(当たり前か)、勿論マニュアルフォーカス機なもので。結構シビアなんですねこれが。だから路地裏撮影ではほんと困ります。それでほかの場所であらかた距離を決めておいて被写界深度を最大限利用して撮影します。ところが路地では引きが取れないことが多く、しかも絞るのでシャッタースピードは遅くなります。手ブレ補正ないしなー、と言う事でブレ写真を連発してしまうのです。今の高画質な一眼レフデジタルカメラは中判カメラの画質に相当しますから、撮影には有利です(手ブレ補正もあるし)。ですがカメラのフォーマットによりマニュアル絞りリングのないレンズもあるので事は厄介です。被写界深度を利用した撮影ではカメラのボタンで深度を確認しますが、絞れば極端に暗くなり確認に手間取ります。決してスマートな作業ではありません。
ですから、勢いオートまかせになってしまうのです。塀の近くに自転車があって塀と自転車両方にピントが欲しければ絞らなければなりません。しかし、そんな操作が出来ない状況は非常に多いのです。
そういう面を少しでも解決するべく多くはオートフォーカスレンズをマニュアルで使用します。しかし感触はマニュアルレンズとはかなり違い慣れを要します。第一ファインダーが非力でピントが合わせ難いのがAPSタイプの一眼レフデジカメです。ペンタミラーだとペンタプリズムよりやや暗く視野も狭く、使い勝手はイマイチになります。問題なのは明るいからピントが合わせ易いとは限らない事です。これはデジカメの課題です。
フィルムの時代はポジを使う人は熟練者で初心者はネガと差別されていた節があります。なにせポジはぶっつけ本番なものですから、大変な熟練と技量を必要としたからです。まあ、これは少し正しいですね。
しかし、ネガのほうが本当は難しいんです全てが。だから職業写真家の方は避けて通ります。写真館でネガを使うのは諧調を出すためと何枚も焼く事と失敗を最小限にするためと思われます。まあこれがスタジオだから良いんです。どうしてもポジとネガは発色に違いが出ますのでネガ(カラー)はプロは基本的に使用しません。印刷は多くがポジ用になっていますしね。微粒子のネガは少なくこれまた使いにくいからです。
デジタルはポジですから事態は一変しました。もう熟練も技量も基本的に不要と言っても良くなりました。
撮り放題、消し放題です。ソフトウエアの進歩で、ブラケット撮影も過去のものになりつつあります。
(ほんとうは大変なのだけれど)手抜き撮影が出来るようになったのです。
モノクロ写真は深刻です。厳密に言えば色のある分ネガカラーの自家現像プリントは難しいのですが、モノクロはフィルム現像の段階で全て決まってしまうのでかなり厄介です。これはある意味時間との戦いになります。デジタルカメラでは簡単にモノクロ化が出来ますし、粒子(ノイズ)の付加やフィルターの効果も簡単に再現可能です。ただ手焼き処理のような自然な焼き込みや覆い焼きは難しいのが実情です。