5HH17は小さな巨人、いや小さな大砲だったのかも知れない。
既成概念はことごとく打ち砕かれた。
クライスラーもコロムビアもコーラルも、テクニクスの供給ではないようだ。
微妙に違いがある。 決定的なのはアルニコマグネットじゃなく、フェライトマグネットと言うことだ。コーラルはスピーカーメーカーだからアルニコと卒がない。これはかなりハードルが高かったのかも知れない。
5HH17は言わばブリキのツイター。 でも、出る音は凄く高級なツイターを彷彿させる。
判で押したように振動版はプラスチックで、塗装もブラック。ホーンの口径も5センチと揃っている。まあ、揃えたのか偶然なのかは知る由もない。
この時代1960年代のスピーカーシステムは、基本サランネットは外せない。
カタログを見ないとスピーカーの構成は分からないのだ。 逆に言えばカタログにはしっかりと仕様ユニットが記載されている。つまり店頭ではどのようなスピーカーが入っているか分からないのだ。 出る音がすべてと言う恐ろしさもある。
こうして一覧を見ていると、つくづくと5HH17は凄いスピーカーユニットだったと実感する。オーディオの黄金期をけん引したことは間違いがない。
小さな巨人であり小さな大砲であったのだろう。
※画像はネットより引用致しました。
口径は5センチだがホーンはショートホーン。 ホーンが短いのは指向性のため。
このショートホーンのために下限は3000Hzや4000Hzとなる。開口部が大きくホーンの長いものは下限が2000Hz位となる。しかし、その周波数域では中々スコーカーと上手く繋がらないのも事実だ。繋がりをスムースにするには優秀なスコーカーが必要でこれもまた悩みの種となる。5HH17は3000Hzや4000Hzを6デシベル下降で使うのでバランス的には最良となる。周波数特性的には3000Hzからほぼ平坦で恐ろしいスピーカーユニットと言える。
能率的には101デシベルと中庸で、テクニクスのスコーカーとはすんなりと繋がる。
フォスターやパイオニアのスコーカーやフルレンジは能率がやや低くアッテネーターが必要となる。
パイオニアの同価格帯ツイターPT-8Aも能率は100デシベルで変わらないのだが、音は出たとたんに分かるほどに違いがあった。頭にきて8HH55を買ったが、状況は変わらなかった。
因みに8HH55は同じ振動版なのだが能率が5デシベル高かった。ホーンは8センチでやや長かったのだが、ホーンはプラスチック製であったのがダメだったのかと思っている。
その後アルミ削り出しオンキョーのTW-8Aを購入したが、納得のいく音にはならなかった。
コーラル BX1200 1969年 32000円
コーラル BX1500 1969年 53000円
コロムビア VS-160 1971年 19800円
コロムビア VS-270Z 1972年 29000円
クライスラー CE-1a 1968年 26900円
クライスラー CE-5aⅢ 1974年 32500円
※資料はオーディオの足跡様のホームページより引用致しました。