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愛情物語を知っている人は多いと思います。
1956年の映画ですが、原題はThe Eddy Duchin Storyと言います。
1957年と言う古い映画なので全く見たことはなく、つい先日初めてBSの放送で見ること
が出来ました。
愛情物語とは、1930年から1940年に活躍した不世出と言われたアメリカのピアニスト、エ
ディ・デューチンの人生を描いた映画です。
エディ・デューチンは、優れた音楽家でバンドリーダーでしたが白血病で僅か41歳で亡く
なります。 その主題曲を主役のタイロン・パワーに代わって演奏したのが、カーメン
キャバレロです。 主役のタイロンパワーのピアノの手さばきも、本当に弾いているかの
ように素晴らしいものでした。
日本ではエディ・デューチンと言っても全く馴染みがなく、邦題が愛情物語とされたのは
良く分かります。
この愛情物語で演奏されるのが、ショパンのノクターン第二番です。 クラシックをポピ
ュラーにアレンジした曲ですが、カーメンキャバレロの代表曲ともなりました。
実は、私は原曲のショパンのノクターンを知ったのは2011年頃で、毎朝訪れる喫茶店で流
れる音楽でした。
カーメンキャバレロの愛情物語はそれこそ随分前から知ってましたが、ピアノ自体が嫌い
でありカーメンキャバレロの煌めくさんざめくピアノ演奏は言わずもがなでした。
今持っているCDは、ピアノを始めてから中古で購入したものです。
どんなピアニストでも通る道。
それはショパンであり、ノクターンなのではないでしょうか。
エディ・デューチンがなくなったのは1951年。 ショパンが亡くなったのはおよそ100年
前の1849年でした。
エディは41歳、ショパンは39歳いずれも病に倒れてしまいます。 100年後、ノクターン
が愛情物語で演奏され世界に知れ渡るなんて、ショパンは良い曲を残しましたね。
有名な戦場のピアニストも実話ですが。 どちらも、人生の悲劇と運命を描いています。
ピアノは時代が変わっても、決して変わることなく音楽を奏で続けて行きます。
因みに、カーメンキャバレロは1989年に76歳で亡くなっています。
この映画を見るにつけ、「トゥ・ラブ・アゲイン」名曲かなと思います。
人生はかくも非情なものなのか。
トゥ・ラヴ・アゲイン 映画「愛情物語」
大人のイージーリスニング名曲選
トゥ・ラブ・アゲインの収録された、カーメンキャバレロのCD。
現在も エディ・デューチンの一人息子は、20年以上連れ添った妻と離婚し一人で暮らして
いると言う。
この映画は、作品であり真実ばかりではない。
でも、映画ってそんなものでありその映画が良ければ、それで良いのだとも思います。
息子との葛藤の日々、それでもエディが伝えたかったのは、この映画を見ると良く分かり
ます。
息子が父や母の分まで生きている事実が、この映画の全てなのかも知れません。