1977年発売のズームレンズ黎明時のレンズ。なんと33年も前の発売です。
初期型から改良を重ねられ20年に渡り発売されたレンズです。開放は3.5と明るめですが、この手の旧式レンズは絞って使うのが当たり前です。開放付近で使い収差うんぬんを言うのは場違いです。あくまでも開放値付近は緊急用と考えるべきでしょう。F11まで絞るとAPSサイズに装着した場合、色収差はほとんど認められず優秀です。
ただ歪曲収差は、広角で樽が望遠で糸巻きがかなり目立つ方です。
「ニッコールAi43~86mmF3.5 主な仕様」
8群11枚構成。 最短撮影距離初期型1.5m、後期型1.2m 重量:初期型410g、後期型450g 発売時価格:\32,300 終了時価格:\44,000 |
初代の7群9枚構成のレンズの改良版であり、描写は初期型より優れる。
開放付近はいまひとつだが通常の撮影では絞り込まれるのが普通だから、
43~86mmの存在価値は不変であったと想像する。カラーの線が美しい。
小型ではあるが、450gとずしりと重いので最初は驚く。
直進ズームはとても使いやすいものだが、回転式と混在させると戸惑うこともある。
バランスはマニュアル小型カメラにピッタリ。
10年前のカメラやレンズでも、20年前でも、30年前でも、いや40年前の機材でも
写真はしっかり撮れる。極々当たり前のことです。
写真機やレンズの使命は、現状を写し止めること、それだけです。
43mm域での描写。(APS-Cでは65mm相当)絞りF11。無補正。
最近テストした中では群を抜けて描写が良い。歪曲収差はやや大きい。
86mm域での描写。(APS-Cでは130mm相当)絞りF11.。無補正。
これも同様で非常にシャープです。やや糸巻き型収差が認められる。
しかし意外と描写は良く、昨日の(テスト)レンズは何だったのかと唸ってしまう。
絞りF11、プラス0.5。曇天。
等倍で見ると破綻なく解像しており、線は35-70mmよりも細い感じ。
このように入り組んでいても描写は柔らかい。最短撮影距離が1.2mと長いので、
花の撮影には苦労が伴う。
絞りF11、レベル+0.8補正。曇天。
三連のボックスにピントは合わせたが、やや樽型の収差が目立つ。
描写は問題ない。絞りF11、プラス0.5。.曇天。
15年以上の長きにわたり発売されたレンズ。