環境省はクマ出没増大で、14年ぶりに自治体担当者向けにマニュアルが発表されました。
もちろん野生鳥獣の保護と管理が目的で、それ以上でもそれ以下でもありません。
殆どが管理方法の対策で、対処方法であり、根本的療法はありません。
ガイドラインでは
鈴やラジオなど音が鳴るものを携帯しましょう。 ※人の存在・接近をクマに知らせ、突発的な遭遇を避けるための装備ですが、 過信はせず、常に周囲に気を配ることを忘れてはいけません。
と記載されています。
環境省のマニュアルは膨大なもので、微に入り細を穿つもので、作るのは大変だったろうと慙愧に堪えません。このマニュアルを地方自治体の担当者は机上で学ぶのです。
環境省のマニュアルは全国各所から集めた情報の集大成とも言えます。
全国から収集した事例による、対策集。こうだからこうしろ、ああだからこうしろと
対処方法ありきです。 クマ出没時の捕獲等の記載も何ら変更はなし。
緊急銃猟は設立したものの、手順がクマのスピードに追い付きません。1か月半も経って、
僅か7例。それ程に非現実的、自治体が苦慮するのも理解できます。
マニュアルはあくまでも鳥獣保護管理の姿勢であることに変わりはなく、住民に注意の喚起やクマを寄せ付けないための方策がほとんどになります。この姿勢は変わりません。
クマの削減ではなく、保護に関するものと捉えても間違いはないかも知れません。
この膨大な資料の編纂を仕事にしていれば、確かにクマの出没件数やら被害件数の把握が1か月以上遅れても致し方無いのかと。間違っても国民の為とは言えません。
自治体や報道とも本気度が違います。
クマ鈴は果たして安全なのでしょうか?
人間の存在を知らせると言うのは。非常に古い考え方です。
クマ猟が何百年も行われ、クマは鉄砲を持つ人間を避けるようになりました。
昔の話です。 古いDNAは今は存在しないと考えています。
つまり、怖いと思った麓も市街地も、人は襲ってこない。
人間は出会っても撃ってきたりしない。
そう言う事実が、刷り込まれてしまったきらいがあります。
クマは人間を同類としか見なせないので、畑に居れば自分の食べ物を奪うもの
もしくは奪っていると理解するでしょう。
ですから、絶対阻止します。 クマは音を立てず、背後からいきなり襲います。
首や頭を狙うのは、一撃で戦意を喪失させる行為です。威嚇ではなく、排除の行為なのです。山を追われたクマは餌に飢えています、餌を死守するのです。
筆者も数十年はそう言う古い教えを踏襲してきました。
クマは、山に行かない限り出会わなかったからです。
現在は、完全に状況が変わりました。 筆者的には、クマ鈴の時代は終わったと思います。
人間の存在を知らせるのは、非常に危険になったと思います。
北海道などで、テントの食料を狙い事故が起きたこともありました。
クマは食べ物には非常に執着します。
果樹の伐採や柵、小屋の施錠はクマを寄せ付けないのか?
柿の木や栗の木があるうちは、それを食い荒らします。 畑然りです。
それらが尽きると、小屋に侵入します。 ニワトリも何も食えるものは食い荒らします。
つまり果樹の伐採は、クマを人家に呼び寄せています。クマ鈴と同じなのです。
危惧するのは、過信です。何でクマは風除室のガラスを割る?
何でカギを壊しシャッターを壊す?何でクマは住宅の中を覗き込む?
答えはクマだけが知っています。
クマは何処でもテリトリー
子供は集団下校しますが、クマのテロ行為には非常に都合が良いでしょう。
小さい子供が無防備で揃っている、なんと恐ろしい事でしょうか。
もし狂った自動車がその列に突っ込んだらどうなりますか?
そのような悲惨な事故は、人間社会でも腐るほどあります。
クマがその列に飛び込むことがあったら、大惨事になりますよ。
しかも何度でも繰り返し、確実に人間を襲うようになるでしょう。
防御の時代は終わった
どの大きさのクマでも、体当たりされれば人間は倒れますよ。クマは時速40キロから50キロヒグマなら60キロで体当たりしてきます。前を向いて後ずさり、もう古典の教えです。
背後から来たらどうすると? 走っても逃げきれないのは事実です。
その場にうずくまり、頭と首を守る? そうして助かるのはどれだけでしょうか。
命を懸けたクマを甘く見ています。
クマはシカでも犬でも人間でも、生きたまま嚙り付き食べます。
生きたまま食べられると言う事実を知らなければいけません。
クマに人間の存在を知らせることが、最新の回避法なのか?
声を出すことやクマ鈴、ラジオでクマが寄り付かなくなるのか?
クマ出没の情報を見ると、騒音のあるなしに関わらず市街地に出没が見られます。
クマの行動を理解したか?
山に餌がないからと言う言い訳はもう止めましょう。
人間同様、動物も楽をします。いや動物だからこそ楽な方に走ります。
奴らは、山を下りても餌は豊富に手に入ると知ってしまいました。
人間怖くない、何もしない。 ガラスを割るのも簡単、シャッターはクマ用の強度はない。
カギは壊せる。 ゴミ箱にゴミはない、小屋には鍵がしてある。
もう、突入しか選択肢はないそう考えて行動するでしょう。
人的対策はゼロ
医者に行くと「気休め」と言われることがあります。
このクマ鈴は、正に気休めなのかも知れません。
勿論筆者も持っています、購入は8年前です。
相手は背後から襲うと認識しますから、出歩くならば別の対策を考えます。
車社会で自分的には散歩などしませんので、鈴の携帯はありません。
畑で作業中の被害が後を絶たない。ゴミ出しも木の剪定も危ない。
畑仕事に猟友会の見張りを付けろとでも? ゴミ出しに猟友会同伴でもと?
本当は、そう言う所が必要。 やれないし、出来もしない。
対策は本当に対策になっているか?
学校ではクマ鈴の貸与が進んでいます。
複雑な心境です。 実際被害がないのが鈴のお陰なのか集団登校のお陰なのか、
現在では全く分かりません。
環境省のマニュアルにより自治体は動きます。
環境省にあるのは膨大な資料です。 この資料を読む限り、クマの出没を減らすのは困難だと感じました。個体数を減らすと言う概念が全くありません。
新任の石原環境大臣はこの膨大な資料を読むのでしょうか?
そうならば何も変わらないと思います。
※ 個人の意見です、お間違えの無いようお願いします。