写真が大変なのは実はもう少しややこしくて、
    いつも言う事なのだけれど見たとおりに撮れないと言う事です。
    
    写真はそのとおり事実を写す事には間違いがないのだけれど、
    ちっとも本当に写してはくれないのです。
    
    まあ、それなりにとか大体こんなものかなとか、えーっ全然良いとか、思いもよらない結果であざ笑うのです。
    これも修行か、いやいやいやいやとんでもない。
    とんでもない。
    そこが写真の性悪なとこで、しっかり記録代理人の感性をテストされていると承知しなければなりません。
    
    もっと写せよー。そんなんじゃネエだろうがよー。ちゃうちゃうちゃいまんねんドアホ。たくもう頭悪いなあ、
    なんて、カメラいや写真機様のお叱りの声が聞こえませんか。
    いや、寡黙なのでしたカメラは。
    
    とにかく、急を急ぐのです。なぜならば一度しか押してませんシャッターは。その筈でしょ。
    写らねんじゃんでは困るのです。こんな色かよーでもいけません。ぶれてねえかバカではもう性悪性悪。
    ぶれたのおめーのせいだろっ、とカメラを叩き付けたくなっても我慢です。なにせ、高かったからもするのです。
    
    
    あのな、設計もテストもちゃんとしてるんねん。ちゃんと写るんで発売してるんねん、と怖ーい声が木霊するのです。
    写らない筈はないのですっ。
    みんな、おまえが悪いのとちゃうかと罵るのです。
    
    あははは、
    まずまずじゃないか。
    くそーっ、何がまずまずだーとか悔しがってはいけません。写らねえのはお前が悪いなんて口が裂けても言っては
    なりません。相手は機械なのです、こちらの都合は全く通じないのです。
    
    だもんで、実は密かに
    機械いやカメラの買い替えを考えたりするのです。実に愚かです。
    
    おめーじゃ役不足でな。買い換えるのだ。という言葉を機械様は恐れるのであります。
    それで、時たまあっ結構いけるとか思わせたりするのです。