見知らぬあなたへ
私の父と母が出会った、鉱山病院
今はもうありません
少しだけ知っていると言う
あなたの言葉が
解りました
幼い頃
弁当を届けに、良く通いました
古館から真っ直ぐに歩いて
父のもとへ
とても遠い道のりだったように
覚えています
その頃の写真が一枚だけ
家にあります
古館の家の前
雪ですべってころび
泣いている私が、写っています
父は写真が
好きでした
私は
ほとんど父と口を聞いたことがありません
父は寡黙で
いつも本ばかり読んでいました
父の心を知ったのは
父が亡くなる少し前でした
ばかな息子ですね
だけど
あなたの言うように
思い出がいっぱい詰まっている町では
ありません
小さかったし
あまり良い事は
覚えていないのですね
それほど
遠い昔のことですから